全国地域医業研究会　活動報告2011年　診療報酬改定

２０１１年度 活動総括

１．はじめに

当年は２０１２年度の診療報酬と介護報酬の同時改定に向けて、それへの制度改正への対応を巡って、医療・介護共通テーマとしての、「地域包括ケア」参画をメインに各医療機関・介護事業所へのサポートを「基本視点」として活動した。

しかし、３月１１日に発生した東日本大震災は死者・行方不明者19,748名という甚大な人命的犠牲と多大な財産と生活を喪失した。当研究会は各会員１ヶ月分に相当する会費を義援金として拠出した。併せて福島原発の事故は、日本のその後の生活様式と思考の再考をもたらす世界的事件として、我々の記憶に深く刻み込まれる結果となり、現在も進行している。今日まで何となく続いてきた経済環境、雇用環境、各社会保障制度、税制等の改革が政治的停滞と問題解決先送りしてきたことが、この震災や原発事故により、根本的解決の方向性を明示すべく事が喫緊の課題となっているがスピードは遅い。

しかしながら、６月に開催に閣議報告された「社会保障と税の一体改革」は課題解決の第１歩として期待されます。野田新政権もその改革の実現に向けて積極的である。２０１２年度の同時改定は、社会保障の中で重要な項目である「医療・介護」分野の制度改革実現方向性の具体化（重点配分と効率化）として、位置づけられている。当研究会の当年の活動は、「医療・介護定例セミナー」を機軸に次記の通りである。

２．全国地域医業研究会２０１１年度活動報告

（１）医療機関・介護事業所サポートのための活動

1. 会員地域別研修会 ５地域 １０６名参加
2. 定例医療・介護セミナー ５会場 ２６５名参加
3. 介護事業者マネジメント連続研修（５～７回）延べ７０名参加
4. 歯科医院部会 東京 １４名参加
5. 診療所職員スキルアップ研修 東京 ２５名参加

（２）会員職員向け実務研修

1. 確定申告対応研修 東京 １５名参加
2. 医療法人版 高松・東京・福岡 ３９名参加
3. MIO認定研修 福岡 ５名参加
4. 基礎研修 東京 ２６名参加

（３）その他の活動

1. 市民後見人制度サポーター養成講座（NPO地域ライフプラン） １～５回 延べ １３１名参加
2. 講師派遣 １１件　約３００名 参加
3. メディカル・クオール １６０回まで連載執筆
4. 資料請求・質問研修 ４７８件

おわりに

２０１１年度も様々な活動を行ってきたが、本格的な超高齢者社会・少子社会の到来を前提に「研究会」と言う社会的な役割を再認識すべき時に来ている。全国的組織ゆえに会員所在の各地域で緩急活動たる活動が出来ない。このことが地方の歴史ある会員の退会につながっている（主要都市中心）。

医療・介護は今後益々、「公共事業」として提供される形に変化しつつあり、市場原理や競争というよりも、各事業（企業・NPO・研究会等の任意団体ら）がその存在する地域でいかなる社会的役割を「基礎自治体」のコーディネートにより、果たして行くのかが重要な視点となる。会計事務所が税と会計の専門に「総合的対応」が求められる。当研究会はそのために「研究」を重ねてきたのではないのか？

次年度はこの観点から会員所在地域（主要都市以外）にも研究会で提供されている次の研修・ツールを活用してできるだけ地域活動の支援をすることを望みたい。

1. 市民後見人サポートは今後会員の新業務分野と認識し積極的に参加し体制整備を行い医療機関・介護事業者へ支援
2. 地図情報・人口推移データなどの基本情報の積極的活用により支援
3. 定例セミナーへの顧問崎への参加案内と自ら参加による情報収集及びスタッフへの研修を通して支援
4. スキルアップ研修のコンプライアンス上の必要性を認識し医療機関への積極的活用提案による支援
5. 医療法人の正しい設立と運用についての知識と提案力の向上を通した支援

資料送付（２０１０．９～２０１１．８）

メディカルクオール ２０１０．９（１４９回）～２０１１．８（１６０回）

本部定例会議開催報告

セミナー開催報告

資料相談件数478件

※さらに詳しい内容、ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。