全国地域医業研究会　活動報告2013年

２０１３年度 活動総括

１．はじめに

当研究会は創設以来２０年ほど経ったが、その活動は、初代會田代表が医療保険制度・介護保険制度の改革などの情報をもとに、その方向性を見ながら様々な情報をセミナー等通じて情報を提供してきた。その活動記録はＨＰに公開をしているので、参照頂きたい。

我が国の制度としては、政権交代前に３党合意により設置され、平成２４年１１月から開催された社会保障国民会議で次のようにまとめている。１９８５年第１次医療法改正、病床規制に始まった制度改革は、２００８年には「社会保障国民会議、最終報告」で示された「あるべき医療・介護サービス」提供体制の背景について、医療の機能分化を進めるとともに急性期医療を中心に人的・物的資源を集中投入し、後を引き継ぐ回復期等の医療や介護サービスの充実によって総体としての入院期間をできるだけ短くし、早期の家庭復帰を実現し、同時に在宅医療・在宅介護を大幅に充実させ、地域での包括的なケアシステムを構築して、医療から介護までの提供体制のネットワークを構築することにより、利用者・患者のＱＯＬの向上を目指すというものであった。日本の医療政策の難しさは医師が医療法人を設立し、病院等を民間資本で経営するという形で整備されてきた歴史的経緯から生まれている。ゆえに他国のように病院などが公的所有であれば体系的にできることが日本ではなかなかできなかったことに問題があった。

２００８年５年たったがあのときの提言は実現されているようには見えない。今後、医療・介護の実態ニーズの増大が、安定成長・低成長基調への移行のなかで進むことになるという展望の中で、必要なサービスを将来にわたって確実に確保していくためには、必要な安定財源を確保していくための努力を行いながらも、医療・介護資源をより患者のニーズに適合した効率的な利用を、国民の負担を適正な範囲に抑えていく努力も継続していかなければならないとしていて、医療・介護サービスの提供体制改革として（１）病床機能報告制度の導入と地域医療ビジョンの策定（２）都道府県の役割強化と国民健康保険の保険者の都道府県移行（３）医療法人制度・社会福祉法人制度の見直し（４）医療と介護の連携と地域包括ケアシステムというネットワークの構築（５）医療・介護サービスの提供体制改革の推進のための財政支援（６）医療の在り方（７）改革の推進体制の整備が必要として、また医療保険制度改革、介護保険制度改革についても示している。これらをもとに第６次医療法の改正、平成２６年度診療報酬の改定に検討され盛り込まれくるものと思われる。

このような中で、当研究会の当年の活動は、「医療・介護定例経営セミナー」を中心に次のように活動した。

２．全国地域医業研究会２０１２年度活動報告

①医療や介護の制度改革の方向性や、税制改正の影響による収益・費用の改善セミナー等の開催
医療・介護定例経営セミナー　５地域　２７１名参加

②会計人グループとして地域包括ケアにおける地域貢献活動
１地域　開催

③会員事務所職員対象のスキルアップ研修
基礎研修　４地域　東京、福岡、高松、大阪　８０名
医療法人　１回　東京１５名

④診療所職員向けスキルアップ研修
１回　東京　６４名

⑤会員の地域におけるセミナー開催支援
会員経営研修　４地域　東京、福岡、高松、大阪　１００名
会員主催セミナー　１１回

⑥地域医療に貢献する医療法人んお支援活動
ＭＩＯ（医療法人監査機構）認定（継続）研修　東京２４名　参加

その他、継続支援として医療情報誌への寄稿を通し顧問先等の紹介、アピールを行い会員支援ツールとした。

３．おわりに

社会保障制度改革国民会議は最終報告を前述のように示し、安定財源となる消費税の改正も２６年４月から８％と決定された。このような年度において、当研究会は会員に対し制度や税制の変化に対応するための体制と質の強化に取り組むために、情報収集だけでなく、その情報と地域の人口推移、医療、介護、事業者情報など整理して、医療に役立てる重要事項として次のような、情報提供活動を行ってきた。

①中学校区などを含めた地域情報・人口推移データなどの基本情報の積極活用による支援

②定例セミナーへの顧問先参加案内と自ら参加による情報収集及びスタッフへの研修を通した支援

③スキルアップ研修のコンプライアンス上の必要性を認識し、医療機関への積極的活用提案による支援

④医療法人の正しい設立と運用、合併、資金等についての知識と提案力の向上を通した支援

資料送付（２０１２．９～２０１３．８）

メディカルクオール ２０１２．９（１７３回）～２０１３．８（１８４回）

本部定例会議開催報告

セミナー開催報告

資料相談件数407件

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